簡易水洗トイレの交換|DIYは可能?交換手順と費用まとめ

下水道の整備が不十分な地域にお住まいのご家庭で、多く使用されているのが汲み取り式のトイレです。

汲み取り式トイレの中でも、衛生的で安全面にも優れている簡易水洗トイレを取り付けたい!とご検討中の方も多くいらっしゃいます。

その中には、費用を抑えるためご自身での設置をご検討されている方もいらっしゃいますよね。

 

 

『この記事では、簡易水洗トイレの交換目安、取り扱いメーカー、DIY交換の手順などについてご紹介していきます。』

(投稿:2021/04/22)

(追記:2021/09/21)

(追記:2022/08/18)

簡易水洗トイレはDIYで交換できる?費用は?

古くなった簡易水洗トイレを自分で交換する事は、結論から言うと【可能】です。

DIY

コメリなど大きめのホームセンターであれば、簡易水洗トイレの取り扱いもあり購入可能。

その他、Amazon楽天などのネットショップでも販売されています。

トイレ配管などの知識がある程度ある方であれば、自分で交換する事も不可能ではありません。

しかし、便器が陶器でできている場合40kg前後重さがあるため、女性や力の弱い方が一人で作業を行う事は難しく、あまりオススメできません。

こちらの動画では、簡易水洗トイレを交換する時のポイントなどが紹介されています。

ぼっとん便所から簡易水洗トイレへ交換する場合は、床の施工も必要になるため業者に依頼するのがオススメです。

 

 

『DIYに慣れている方であれば、比較的簡単に交換作業を行えるかと思います。』

DIYで簡易水洗を交換する手順

この章では、簡易水洗トイレから新しい簡易水洗トイレに交換する手順をご紹介します。

簡易水洗トイレの構造

画像引用元:ダイワ化成 簡易水洗トイレのしくみ

  1. 止水栓を閉める
  2. 給水管を外し水を抜く
  3. 便器を外す
  4. フランジを外す
  5. 新しいフランジを取り付ける
  6. 便器を設置
  7. 給水管を取り付ける
  8. 便座を取り付ける
  9. 止水栓を開く

1:止水栓を閉める

交換作業を行う際に、水が噴き出してこないようまずは止水栓を閉めておきます。

トイレタンク横に取り付けられている給水管の途中に取り付けられている止水栓を時計回りに回して、水を止めておいてください。

2:給水管を外し水を抜く

止水栓を閉めたらトイレタンクの蓋を外し、給水管を固定しているナットを緩め給水管を外しておきます。

ナット内部にはパッキンが取り付けられていますので、無くさないようご注意ください。

給水管を外したら、タンク内のオーバーフロー管を引き抜いてタンク内の水を抜いておきましょう。

この際、継ぎ足し管など他の配管が接続されている場合は全て外しておいてください。

3:便器を外す

便器下部にある化粧キャップを外して便器を固定しているナットを外し、便器と便座を固定しているナットもスパナなどで緩め外します。

それぞれのボルトを外したら、まずは便座を撤去。

便座を外したら、便器本体を持ち上げ撤去してください。

※陶器製の便器は重量がありますので、落として怪我をしないよう注意しながら行ってください。

4:フランジを外す

フランジ

フランジ

床と便器を固定していたフランジを撤去。

フランジを固定しているボルトを外し、床面と垂直にノコギリを当てカットするか、床面とフランジの隙間にドライバーを差し込むなどしてテコの原理で外してください。

これで、古い便器の撤去作業は全て完了です。

5:新しいフランジを取り付ける

新しいフランジにコーキング材を塗布し、床の穴部分に取り付けます。

この際、フランジを取り付ける方向を間違えないようご注意ください。

フランジを取り付けたら、向きを確認しボルトで固定。

フランジの溝部分(2箇所)に、便器固定用のボルトを取り付けておきます。

6:便器を設置

フランジに取り付けたボルトが、便器下部にある穴に通るよう設置。

ボルトにワッシャーとナットを取り付け、しっかりと締めて化粧キャップを取り付けます。

便器を固定したらタンクを取り付け、付属の部品でしっかりと固定。

7:給水管を取り付ける

外しておいた給水管のナット部分に忘れずパッキンを入れ、タンクに固定。

8:便座を取り付ける

便器の上に便座を置き、こちらも付属の部品で便器にしっかりと固定してください。

9:止水栓を開く

止水栓を開き、簡易水洗トイレの交換作業は全て完了です。

注意ポイント

機種やウォシュレットの有無などで配管の手順、各部品の接続法が異なりますので、詳細については交換したい簡易水洗トイレの説明書でご確認ください。

便器の交換作業が完了したら、通水テストを行い、給水管の接続部や床と便器の隙間などから水漏れが無いかしっかりと確認しておくと安心です。

こちらの動画では、簡易水洗トイレの交換手順が紹介されています。

 

 

陶器製の便器の場合は重さもありますので、交換を行う際は二人作業で行うと安心です

DIY|簡易水洗トイレ交換にかかる費用

簡易水洗トイレ本体は、機種、メーカー、機能などによっても異なりますがが8万円台から販売されています。

※ネットショップで購入する場合、便器、タンク、便座が別々に販売されている物もありますので、しっかりとご確認の上ご購入ください。

費用

簡易水洗トイレ交換をDIYで行う場合、便器本体以外にも下記の工具や材料が必要となります。

・ドライバー(あれば電動)

・モンキーレンチやスパナ

・コーキング材

これらは、数千円あれば買い揃える事が可能。

業者に交換を依頼したらいくらかかる?費用相場

古い簡易水洗トイレから新しい簡易水洗トイレへの交換を業者に依頼した場合、こちらもトイレの機種、洗浄方法、施工内容、施工業者によっても異なりますが、16万円~となります。

ちなみに、ぼっとん便所などの汲み取り式トイレから簡易水洗トイレへ交換するためには、トイレ床の段差の有無などによっても異なりますが、約30~60万円程度の費用が必要です。

 

 

『トータル的な費用に大きな差が無いようであれば、業者に依頼されるのが安心でオススメです。』

簡易水洗トイレの交換目安は15年

使用頻度や使用環境によっても異なりますが、一般的には10年〜15年で不具合による交換を検討されるケースが多い傾向にあります。

トイレの交換

お手入れの仕方によっては、20年以上でも問題なくご使用になっているご家庭も沢山あります。

便器が陶器製で、割れ、欠け、ヒビが生じていなければ、半永久的に使用可能。

しかし、トイレタンク内部品、止水栓、給水管、便器とトイレの接続部分、などは経年により様々な箇所にトラブルが発生しやすくなってきます。

また、簡易水洗トイレは”尿石が付着しやすい”という特徴があります。

使用年数が長くなり、尿石が大量に付着した状態になると、便槽と便器の間を密閉している”フラッパー弁”の密着が悪化。

その影響で溜り水が溜まりづらくなったり、便槽からの臭いが立ち上ってきたりする事も。

修理のみで済むケースも当然ありますが、長い目でみると便器本体を新しい物と交換するほうが、費用を安く抑えられるケースも多くあります。

 

 

『15年以上使用した簡易水洗トイレで、水漏れが発生したり悪臭を感じるようになったら交換時期のサインです。』

蓋が閉まらない!水がたまらない!フラッパー弁のみの交換は可能?

簡易水洗トイレには、便槽から悪臭や害虫などが上がってくるのを塞ぐため”フラッパー弁”というフタが取り付けられています。

便と便器

排泄物を流す時に、フラッパー弁がパカッと開き便槽に落ちていく仕組みになっています。

簡易水洗トイレで不具合が発生しやすいのが、このフラッパー便。

フラッパー便の不具合で最も多いのが、【フラッパー便が閉まらない】という症状です。

フラッパー便がしっかりと密閉できなくなると、溜り水が漏れてしまったり、便槽から臭いが立ち上ってきたりするため何かしらの対処が必要となります。

フラッパー弁を掃除してみる

フラッパー弁に、汚物や尿石が付着していると密閉できなくなってしまう事があります。

簡易水洗トイレは、便槽がすぐに満タンになってしまわないよう500ml以下の少ない水で流す造りになっています。

一般的な水洗トイレと比較すると、流す際の水が少ないため便器に尿の成分が残留。

そのため、どうしても便器やフラッパー弁などに尿石が付着しやすくなってしまいます。

フラッパー弁は専用ブラシと中世洗剤を使用し、週に1〜2回の頻度で掃除をするのが理想的。

それでも付着した尿石が取れない場合は、”尿石除去剤”を使用して掃除をしてみましょう。

こちらの動画のような手順で、尿石除去剤とブラシなどを使用し綺麗に尿石を取り除けば、フラッパー弁が密閉できるようになる可能性があります。

それでも改善されない場合は、一度業者にご相談ください。

フラッパー弁は自分で交換できる?

フラッパー弁くらいなら、自分で変えられないかな?と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

DIYでフラッパー弁を交換する事は、不可能ではありません。

製造が終了していない物であれば、各メーカーの公式サイトなどで購入可能。

こちらの動画のような手順で交換していきます。

DIYに慣れている方であれば、短時間で交換する事も可能かと思います。

賃貸住宅にお住まいの方は、万が一の事を考えDIYでの交換は控えておきましょう。

DIYで交換作業を行う場合は全て自己責任となりますので、慎重に行うようにしてくださいね。

また、フラッパー弁のゴム部分が劣化し溶けている事も少なくありません。

溶けたゴムを素手で触ると手が真っ黒になってしまいますので、ゴム手袋やビニール手袋を装着した上で作業を行うのがオススメです。

フラッパー弁交換の費用相場は?

『フラッパー弁を自分で交換するのは、ちょっと…』という方は、業者に依頼した場合の料金が気になりますよね。

ご使用になられているトイレのメーカーや、修理を依頼した業者によっても異なりますが、フラッパー弁交換にかかる費用相場は最低でも20,000円〜。

また、トイレのご使用年数によってはメーカーの部品保管期間が終了していて、交換対応不可になってしまう事も。

まずは、フラッパー弁の交換が可能か、業者に相談し見積もりを取るのがオススメです。

 

 

『閉じないだけでなく開閉ができなくなった場合は、ワイヤーが切れている可能性がありますので業者にご相談ください。』

簡易水洗トイレ取り扱いメーカー7社紹介

現在販売されいてる簡易水洗トイレと、取り扱いメーカーをご紹介していきます。

スマイルトイレ

ちなみに、トイレといえば”TOTO”というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、TOTOは簡易水洗トイレの販売はしていません。

ダイワ化成

簡易水洗トイレ【ソフィアシリーズ】を販売。

レバーを手前に引くと排泄物が流される仕組みで、排泄物や水の重みでフラッパー弁が勝手に開く事がないため、健康状態のチェックも可能。

メンテナンス性も良く、もし途中で下水道を開通させ本水洗トイレに変更したくなった場合、対応機種であればオプションの切り替えパーツを取り付けるだけで、簡易水洗トイレを水洗トイレに変換する事ができます。

ダイワ化成の簡易水洗トイレはこちら

LIXIL

【トイレーナR】という、手洗栓付き簡易水洗トイレ。

傷や汚れに強く、フラッパー弁と溜水で立ち上ってくる嫌な臭いを遮断。

暖房便座や、シャワートイレの取り付けも可能です。

LIXILトイレーナRのカタログはこちら

アサヒ衛陶株式会社

手洗栓有り無しが選べるタンク式と、限られたスペースにも適しているタンクレス式の、2種類を販売。

※簡易水洗小便器の取り扱いもあります。

水や排泄物の重みでフラッパー弁が開き、少量の水でしっかり流す事が可能。

シンプルな構造で、故障の少ない設計になっています。

アサヒ衛陶株式会社の簡易水洗トイレはこちら

ジャニス工業

簡易水洗便器【ジャレット】を販売。

白色とピンクの2色から選べます。※ピンクは受注生産

ジャニス工業の簡易水洗便器カタログはこちら

積水ホームテクノ

【セキスイリブレット】という商品名で販売。

便器は全機種陶器製で、オプションで暖房便座設置可能。

セキスイリブレットのカタログはこちら

ネポン

【パールトイレ】と、【プリティーナ】【プリティーナシャワー】を販売中で、プリティーナシャワーは名前の通り温水洗浄便座となります。

パールトイレは、専用洗剤を使用すると、便器内を泡のパワーで洗浄し清潔な状態を保ってくれます。

ちなみに、プリティーナの一部商品は、アサヒ衛陶株式会社からのOEM供給で販売。

ネポンの簡易水洗トイレ総合カタログはこちら

ロンシール機器株式会社

【ロンクリーン】という、簡易水洗トイレを販売。

簡易水洗トイレを設置後に、本水洗トイレに変更したくなった場合、専用パーツを取り付ければ水洗トイレに変換できます。

ロンクリーンの商品紹介はこちら

まとめ

簡易水洗トイレは日々進化していて、最近ではパッと見ただけでは水洗トイレと大差ない物も多く、暖房便座やシャワートイレの取り付けも可能になっています。

暖房便座は、寒冷地にお住まいの方に。

シャワートイレは、お尻がデリケートな方などにも最適です。

DIYで簡易水洗トイレを交換する場合は、ポイントをしっかり押さえればさほど難しくはありません。

しかし、交換に関しては全て自己責任となりますので、自信がない方は業者に一度ご相談ください。

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