簡易水洗トイレってなに?|種類やお手入れ方法・メリットデメリットを徹底解説!

・簡易水洗トイレって、なんとなく聞いた事はあるけど良く知らない。

・転居先のトイレが簡易水洗トイレだった

など、ぼんやりと存在は知っているけど、簡易水洗トイレの仕組みなどは良く分からない…

といった方も、沢山いらっしゃるかと思います。

 

 

この記事では、簡易水洗トイレについて詳しくご紹介していきます。

簡易水洗トイレとは?

簡易水洗トイレってなに?普通の水洗トイレとは何が違うの?と思いますよね?

簡易水洗式便所(簡易水洗トイレ)

簡易水洗式便所(かんいすいせんしきべんじょ)は、便所の形態の一つ。

下水道等の整備が十分でない地域に於いて、非水洗便所よりも衛生的であり、より水洗式便所に近い実用性が得られるため設置される便所である。

引用元:Wikipedia

簡易水洗トイレ(簡易水洗式便所)は、先述した通り下水道などの整備が不十分な地域で使用されている、汲み取り式のトイレです。

簡易水洗トイレは、一見すると一般的な水洗トイレと大きな差はあまりありません。

見た目は一般的な本水洗トイレに近いですが、排泄物が排水管を通り下水管へと流れていく水洗トイレとは異なり、簡易水洗トイレから流した排泄物はタンク(便槽)に溜まる仕組みになっています。

一般的なトイレは1回の洗浄水量が4リットル~程度使用しますが、簡易水洗トイレの1回の洗浄水量は500cc以下。

少量の水で便器に付着した汚物を洗浄する事により、汚れや臭いの付着を防ぐという特徴があります。

 

 

『同じく汲み取り式トイレのぼっとん便所と比較すると、簡易水洗トイレは衛生的に使用できるトイレとなります。』

簡易水洗トイレのメリット

簡易水洗トイレには、以下のようなメリットがあります。

・衛生的

・安全

・費用が安い

・工期が短い

衛生的

下水道が整っていない地域で、昔から使用されているのが”ボットン便所”(ボットントイレ)です。

ボットン便所は便器側から便槽が丸見えで、それに伴い便槽に溜まっている汚物の臭いが立ち上ってきてしまいます。

同じ汲み取り式トイレのぼっとん便所とは異なり、簡易水洗トイレは便器と便槽の間をフラッパー弁などで遮断・密閉する事が可能。

そのため、便槽から立ち上ってくる臭いや、ハエなどの虫の侵入を防ぐ事ができるため、衛生面で大変優れています。

安全

便器側から深さのある便槽が丸見えのぼっとん便所では、便槽に小さなお子様が落下してしまう事故も発生しています。

簡易水洗トイレは、一般的な洋式便器と同じ形状(洋式の場合)をしていて座って用を足す事が可能。

そのため、小さいお子様やお年寄りでも安心して安全に使用できるというメリットがあります。

費用が安い

ぼっとん便所などの汲み取り式トイレから簡易水洗トイレへ交換する費用の相場は、床の段差の有無やトイレの種類などによっても異なりますが、約30~60万円程度。

汲み取り式トイレから水洗トイレに交換する場合は、約60~100万円程度。

また、下水に繋ぎ込む事が難しい地域で水洗トイレを使用するためには、浄化槽を設置する必要があり交換にかかる費用相場は100~200万円程度と高額になります。

※お住まいの地域によっては、浄化槽設置の補助金が貰える事も◎

簡易水洗トイレなら、あまり費用をかけずに水洗トイレにできるというのも魅力です。

工期が短い

水洗トイレへの交換の場合、下水道繋ぎ込みの申請が必要なケースもあり、1~2ヶ月と工期が長くなってしまう事も珍しくありません。

簡易水洗トイレへの交換は、最短3日程度。

便槽の交換が必要な場合でも、1週間前後で交換工事は完了します。

 

 

『排泄物が丸見えのボットン便所に比べると、見た目や使い勝手が水洗トイレと大差ない点が大きなメリットですよね。

簡易水洗トイレのデメリット

簡易水洗トイレには、メリットばかりではなく下記のようなデメリットもあります。

・臭いが気になる

・汲み取り回数が増える

臭いが気になる

簡易水栓トイレは、ぼっとん便所と比較すると便槽からの臭いを抑える事が可能となります。

しかし、便槽と便器の間を完全に密閉できるわけではなく、排泄物を流す際は便槽との間を遮断しているフラッパー弁を開く事もあり、水洗トイレと比較すると臭いを感じやすくなってしまいます。

汲み取り回数が増える

簡易水洗トイレは、ぼっとん便所とは異なり水で流して排泄物を便槽へと流す仕組みになっています。

1回で使用する水は500cc以下と少量ではありますが、排泄物のみを便槽に溜めるぼっとん便所と比較すると、流す際の水が加わるため汲み取りの回数が増加。

使用頻度にもよりますが、多いケースでは汲み取りの回数が倍程度になってしまう事も。

そのため、トイレの使用頻度が高かったりご家族が多い場合は、簡易水洗トイレに交換する事で汲み取り費用がかさんでしまう恐れがあります。

 

 

『下水が整っていない地域では、汲み取り費用の補助が受けられる事もありますので、各地方自治体にお問い合わせください。

簡易水洗トイレの洗浄方式は3種類

簡易水栓トイレには、以下の3種類の洗浄方法があります。

ペダルタイプ

ペダル式

簡易水洗便器(クリーンスイセン)品番特定資料より引用

便器の足元にあるペダルを踏むと、フラッパー弁がパカッと開き便器内の排泄物が便槽に落ちていく洗浄方式。

最近では、ペダルタイプは減ってきているようです。

レバータイプ

レバー式

本水洗トイレを流す時と同じように、タンク横などに付いているレバーを回して流すタイプ。

レバーを回すと、便器内の排泄物が流れ落ちていきます。

ピストルタイプ

ピストルタイプ

水鉄砲のような形をしている洗浄ガンで、便器内を洗浄して排泄物を落とす洗浄方式。

ペダルタイプやレバータイプのトイレにも取り付け可能。

流しきれなかったり便器内に付着した排泄物を、強い水圧で洗い落とす事ができます。

上記3種類の他にも、暖房便座やシャワートイレの取り付けが可能なタイプなどもあり、水洗トイレと使用感に大きな差が無い機種も増えてきているようです。

 

 

『最新の簡易水洗トイレでは、全自動で洗浄してくれる機種もあります。』

簡易水洗トイレの正しいお手入れ方法

簡易水洗トイレのフラッパー弁部分には、便槽に繋がっている穴を密閉するため、ゴム製パーツやパッキンなどが使われています。

誤った掃除をすると簡易水洗トイレの寿命を縮めてしまう恐れがあるため、ここでは掃除をする際に注意するポイントをご紹介していきます。

トイレ掃除

塩素系洗剤はNG

塩素系洗剤は汚れを落とす力が強いため、ピカピカに掃除をする事ができます。

しかし、パッキンなどが変形する恐れがあり、頻繁に使用すると劣化が進み水漏れに繋がる可能性も。

各洗浄剤も要注意

・スタンプ型便器洗浄剤

・タンクに入れるタイプの洗浄剤

・手洗い部分に置くタイプの香り付き洗浄剤

これらの洗浄剤も、成分によってはフラッパー弁を傷める原因になってしまいます。

そのため、簡易水洗トイレの各製造メーカーでも使用を控えるように記載されています。

使うなら中性洗剤

洗剤を使って掃除する際は、中性洗剤(食器用洗剤もOK)を使用するようにしておくと◎。

また、便器内に尿石が付着した場合、酸性洗剤を使わないと取り除くのが難しくなってしまいます。

大量の尿石が付着した状態になると、フラッパー弁が密閉できなくなり水漏れに繋がる恐れがあります。

こまめに掃除を行い、尿石が付着しにくい状態をキープしておく事が、簡易水洗トイレを長く使用する上でのポイントです。

大便をする時はトイレットペーパーを敷く

日常的にできる汚れ付着防止方法として手軽に行えるのが、大便をする前にフラッパー弁の上にトイレットペーパーを敷いておくという方法です。

トイレットペーパーを敷いておく事で、便器に直接大便が触れないため汚れの付着を防ぐ事ができます。

その他、フラッパー弁部分に少量の水を溜めてから排泄する方法も汚れ付着予防に有効です。

 

 

『正しいお手入れをしておくと、簡易水洗トイレの寿命を延ばす事ができますよ。』

まとめ

下水が整っていない地域で衛生的に安全に使用できる、簡易水洗トイレ。

ぼっとん便所から簡易水洗トイレにしたい!とご検討中の方に、ご参考にしていただけると嬉しいです。

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