バリウムがトイレに残って流れない!自宅にある物で取り除く方法をプロが徹底解説!
※閲覧注意※
この記事では、実際の施工事例をご紹介しています。
汚水等の画像もそのまま載せておりますので、苦手な方は閲覧をお控えください。
健康診断や消化器官の検査で行われる、バリウム検査。
・バリウム検査を受けた後、トイレの水が濁るようになった
・バリウムの塊がトイレに残ってしまった
・バリウムが便器に付着して取れない!
・バリウムの影響でトイレがつまってしまった!!
といった状況になってしまう方も少なくないかと思います。
『この記事では、トイレにバリウムが付着してしまった際の対処法を、弊社スタッフの実体験とともにご紹介します。』
(投稿:2022/06/15)
(追記:2022/08/21)
(追記:2023/04/11)
目次
バリウムが便器に付着した時の対処法
バリウム検査を受けた後に、トイレにバリウム便が付着してしまうといったケースは決して珍しい事ではありません。
バリウムが便器に付着し何度流しても流れていかない!といった症状が発生した場合は、下記の対処法をお試しください↓
・割り箸やトイレブラシで除去する
・ゴム手袋を使う
・ぬるま湯を流す
・洗剤を使ってみる
割り箸やトイレブラシで除去する
割り箸を使って、便器に付着したバリウムをほぐしながら剥がしとります。
この時、力を込めて無理に剥がしてしまうと、便器に傷が入ってしまう恐れがありますので、バリウムのみを優しくゆっくり剥がし取るようにしてみてください。
割り箸以外に、トイレブラシでバリウムを擦り細かくして洗い流してもOK。
この際、剥がし落としたバリウムが排水管に詰まってしまわないよう、こまめに水を流しながら行ってください。
ゴム手袋を使う
便器奥に付着しているバリウムの大きな塊などは、ゴム手袋を装着し直接手で剥がし取ります。
取り除いたバリウムは、一般ごみとして処分。
便器に手を突っ込む際は、ゆっくりと行うようにしてください。
また、便器内や封水には大腸菌などの雑菌が含まれているため、素手で行うのはオススメできません。
必ずゴム手袋やビニール袋を装着してから行ってくださいね。
ゴム手袋は割り箸よりも細かい部分のバリウムを除去する事が可能。
ある程度取り除けたら、トイレブラシを使ってさらに細かい部分まで掃除をすればOKです。
ぬるま湯を流す
便器にお湯を注ぎバリウムを溶かし除去する方法です。
便器内に、40〜50度のぬるま湯を注ぎバリウムを溶かしていきます。
バケツややかんなどにぬるま湯をいれて、バリウムが無くなるまで便器内に注ぎ込んでいくだけ。
水で冷やされ固まったバリウムが、お湯を注ぐ事によりジワジワと溶けだします。
注意ポイント
熱湯を入れた方が短時間で高い効果を得られるように感じるかもしれませんが、陶器製の便器に熱湯を注いでしまうと、温度差によって便器が破損したり割れてしまう恐れがあるため要注意。
お風呂の残り湯がある場合は、残り湯を使用してもOK。
髪の毛などが入らないようにし、バリウムが溶けるまで温かい状態のお風呂の残り湯を注ぎ込んでみてください。
サンポールなどの酸性洗剤で溶かす
強い酸性の洗剤をバリウムにかけて、溶けたところをトイレブラシで擦り落としていきます。
画像引用元:KINCHO 製品情報
市販されている強い酸性洗剤の代表的な商品としては、サンポールが有名です。
ドラッグストアなどで数百円で購入可能なため、バリウムが取り切れない時は試してみる価値あり。
酸性のサンポールを使用する際は換気をした状態で、塩素系洗剤と混ぜないようにご注意ください。
酸性洗剤と塩素系の洗剤を混ぜてしまうと、命に関わる程の有毒なガスが発生します。
『バリウムの付着の程度に合わせて、上記の対処法をお試しください。』
バリウムは放置していたらそのうち流れる?
便器にバリウムが付着したら、ずっとこのまま?!と不安になる方もいらっしゃるかと思います。
基本的に、便器にバリウムが永遠に付着したままといった事はありません。
1〜2週間ほど経過すると、徐々に水に流され最終的には全て流れていきます。
便器内にバリウムは付着しているけど、トイレが詰まったりする様子も無いし別に何も気にならない!というような方は、時間とともにバリウムが自然と流れていってくれるのを待てばOK。
ただし、つまりが発生してしまうほどバリウムが付着している場合は、放置しておくと詰まりが悪化してしまう恐れがありますのでご注意ください。
『付着しているバリウムが少量の場合は、あまり神経質になる必要はありません。』
バリウムとは?
そもそも、バリウムとは何なのか?何のために飲むのか?ご存知ない方も多いかと思います。
バリウムとは?
硫酸バリウム(りゅうさんバリウム、Barium sulfate)は組成式 BaSO4 で表される、バリウムイオンと硫酸イオンからなるイオン結晶性の化合物。天然には重晶石 (Barite, Heavy Spar, バライト) と呼ばれる鉱物として大鉱床を形成して存在し、各種のバリウム製品の原料として使用されている。
化学反応による合成品は医薬用(X線造影剤)に用いられるほか、化学的に安定な性質を応用して塗料、プラスチック、蓄電池等に広く使用されている。医療用の造影剤としての年間推計使用者数は約1,750万人である。
引用元:Wikipedia
胃のX線検査で使用されているバリウムは、重晶石という鉱物が原料。
バリウムを飲まずに胃のX線検査を行うと、胃が透過した状態で撮影されてしまいます。
そのため、X線を透過しにくい性質のバリウムを飲む事で、消化器官の状態を撮影する事が可能となります。
『バリウムは飲み込んでも消化器官から吸収される事がなく、便となって排出されるため人体に害はありません。』
バリウムでトイレがつまる?バリウム便はなぜ流れない?
バリウム検査を受けた後は、下剤を渡され服用するように促されます。
これは、消化器官に吸収されないバリウムを速やかに排出するため。
2日経っても排泄されない場合、胃壁や腸壁に穴が開いてしまうなど命に関わるケースも。
そのため、早めに体外へと排出する必要があります。
バリウムを飲んだ後は、白味を帯びた色の便が排泄される事がほとんど。
排便を数回し普段通りの色の便が排泄されるようになってきたら、バリウムを出し切った状態となります。
通常の色の便になるまでに要する時間は、平均して1~2日程度。
バリウムを含んだ便を排泄する場所は、当然トイレですよね?
鉱物でできているバリウムは、重さが水のおよそ3.5倍。
バリウムを含んだ便は重さがある上に水に溶けにくい性質のため、便器内の水に入るとすぐに固まってしまいます。
そのため、トイレに沈殿し固まってしまったバリウムは、何度流しても流れない状態に…
そして、便器内で固まったバリウムにトイレットペーパーなどが引っかかると、トイレつまりの原因となってしまう事も。
『バリウム検査を受けて2日経っても排泄されない場合は、早めに病院に行くようにしましょう。』
バリウムつまりの予防策
バリウムが便器に付着してしまった場合の対処法をご紹介しましたが、できれば最初から便器に付着しないようにしたいですよね。
そこで、この章ではバリウムを詰まらせない(付着させない)ための予防策をご紹介していきます。
毎年、健康診断の度にトイレにバリウムがくっついてしまうんだよな…というような方も、参考にしてみてくださいね。
・水を流しながら排泄する
・便器にトイレットペーパーを敷いておく
・水を沢山飲んでおく
・携帯用トイレを使う
水を流しながら排泄する
まずは、水を流しながら排泄するという方法。
バリウムを含んだ便を便器内に留まらせず済むため、便器への付着を防ぐ事ができます。
流す勢いが強めのトイレの場合水が跳ね返ってくる恐れがありますので、体勢的に可能であれば少しずつレバーを回して、徐々に流しながら行ってみてください。
便器にトイレットペーパーを敷いておく
最も簡単なのが、便器にトイレットペーパーを敷いた状態で排泄をする方法です。
用を足す前に便器の中にトイレットペーパーを敷いておけば、バリウムが直接便器に触れる事が無いため、便器への付着を防ぐ事ができます。
バリウムを付着させたくないからといって、大量にトイレットペーパーを敷き詰めてしまうと、トイレットペーパーが原因でトイレつまりが発生してしまう恐れがあります。
便器にトイレットペーパーを敷く際は、適度な量を敷くようにしておいてください。
水を沢山飲んでおく
バリウム検査を受けた後は、水を沢山飲むよう指示されるかと思いますが、水を沢山飲んでおく事で体内のバリウムを固まりにくくする事ができます。
その結果、排泄物の粘度がゆるくなるため便器に付着しにくくなります。
トイレにバリウム便を付着させにくくするためにも、意識して普段より多めに水分を摂取するようにしてみてください。
携帯用トイレを使う
画像引用元:Amazon
確実にバリウムを便器に付着させずに済むのは、緊急時や災害時に使用する携帯用トイレに排泄する方法です。
携帯用トイレは使い捨てなので、トイレにバリウムを含んだ排泄物を流す必要がありません。
経年などによりトイレが慢性的に詰まりやすいご家庭などでは、携帯用トイレを使用しておくとバリウムによるトイレつまりの心配をせずに済みます。
排泄した後の携帯用トイレの処分方法は、地方自治体によって異なりますので事前に調べておくと安心です。
絶対にトイレにバリウムを流したくない!といった場合は、携帯用トイレのご使用もご検討ください。
『体内からバリウムを排泄するためにも、トイレに便を付着させないためにも水はしっかりと摂取するようにしてくださいね。』
水道救急スタッフのトイレにバリウムが残って流れない!
ここからは、水道救急スタッフの私が実際にトイレにバリウムが付着し流れなくなってしまった時の事を、ご紹介していきたいと思います。
水道救急に入社し1年ちょっと。
社会の一員として、先日健康診断を受けてまいりました。(大げさ)
そこで、人生初めてのバリウム検査を経験。
※作業員ではなく、事務スタッフアラフォー女性です…
初めてバリウム検査を受けてみた感想は、ただ一つ。
『バリウム検査って、めっちゃ忙しい!』でした。
受けた事がある方ならお分かりかと思いますが、バリウムを飲んだ後は診察台?撮影台?の上で、右に回転したり左に回転したり、とにかく忙しい!!
そのような感想を抱きました。はい。
(どうでも良いですね。)
そして、検査後は指示に従い下剤を服用し、意識して普段より水を多めに摂取。
下剤と水のお陰で、検査終了から数時間後には無事に催しトイレに数回行き排泄。
体感的には、検査を受けた翌日までには体内のバリウムは全て排泄されたように感じました。
私の自宅は築年数が古い建物のため、バリウムがトイレにつまってしまわないか心配はしていたものの、特に対策をしていませんでした。
そして、健康診断を受けた2日後…
便器内に溜まっている水(封水)が、いつもより濁っている事に気が付きました。
画像だと少し分かりづらいですが、便器の奥が明らかに濁っていて白いモヤモヤがある状況。
健康診断後という事もあり、100%バリウム便によるつまりと判断。
せっかくなので、私と同じようにトイレにバリウムが詰まって困っている方のために、自宅にある物を使って取り除けるか実験してみる事にしました。
対処法1:洗剤を使ってみる
まずは、バリウムに洗剤をかけて溶けるかどうか試してみる事に。
私の自宅にある洗剤は、塩素系洗剤の”ドメスト”。
バリウムに効果を発揮するのは酸性洗剤ですが、試しにドメストをかけて1時間ほど放置。
1時間後にレバーを回し数回水を流してみましたが、変化ゼロ…。
ドメストはトイレ汚れを綺麗に落としてくれる洗剤ですが、塩素系洗剤ではバリウムは溶けないようです。
対処法2:お湯を注ぐ
続いて便器内にお湯を注ぐ方法を試してみました。
便器に付着したバリウムを、本当にお湯のみで除去する事が可能なのか実際に行っていきます。
お見苦しい画像ではありますが、こちらがバリウムが便器の奥に付着してしまった状態。
実際は肉眼では便器の奥底まで見えなかったのであまり分からなかったのですが、写真に撮って画像で確認するとこんもりとバリウムが付着しているのが分かります…(驚愕)
バリウムが付着してしまった便器に、40〜50度のお湯を注いでみました。
お湯を注ぐとバリウムが溶けたようで、封水がさらに白濁した状態に。
お湯を数回流した後、さらにレバーを回して水も数回流しました。
水を流すと便器の奥がかなりクリアな状態になってきましたが、まだ塊が残っていました。
そこで、さらにお湯を投入!!
洗面台とトイレを何往復もして、これでもか!!というくらいお湯を注いでいきました。
そして、再びレバーを回し水も多めに流しました。
今度は完全にバリウムを取り除く事に成功。
正常時通り、封水がクリアな状態になりました。
最初は半信半疑でしたが、お湯のみでも便器に付着したバリウムを取り除く事は可能でした。
↑こちらで、実際にバリウムを除去している際の動画がご覧いただけます。
私は、バリウムが無くなるまでお湯を注ぎ込み続けましたが、ある程度お湯を注いだらバリウムが溶けるまで数分放置しておくのも良いかもしれません。
※次回の健康診断で再度バリウムが付着してしまったら、試してみたいと思います!笑
トイレにバリウムが付着して早急に除去したいという方は、ぬるま湯での除去を1度お試しください。
まとめ
便器にバリウムが付着した場合、少量であれば自宅にある物を使って除去する事が可能だという事が分かりました。
バリウムが付着し流れなくなった!という方に、参考にしていただけると幸いです。
少量であれば、あまり気にしなくても時間の経過とともにバリウムは流れていきます。
便器に付着したバリウムの量にもよるとは思いますが、”バリウム便+トイレットペーパー”などで排水路が完全に塞がれ、便器内の汚水が溢れそうになってくるような状態の場合は、一度専門業者にご相談する事をオススメいたします。