止水栓の閉め方まとめ|固くて回らない時はどうする?場所別にプロが徹底解説!
トイレや蛇口から水漏れが発生!
早急に漏れている水を止めたいけど…どうしたら止まるのか分からない!と困ってしまうシーンもあるかと思います。
そんな時に役に立つのが、各水道設備に取り付けられている”止水栓”です。
『この記事では、各水道設備に取り付けられている止水栓の場所や回し方をまとめました。』
目次
止水栓(しすいせん)とは?
止水栓(しすいせん)は、トイレや蛇口など水道設備の給水管の途中に設けられていて、給水を止めたり水量(水圧)を調節する役割をしています。
止水栓を閉める事で、蛇口から吐水されるのを止める事が可能となります。
そのため、水道設備で水漏れなどのトラブルが発生した際、止水栓を閉めると水が止まるため応急処置を行う事ができます。
また、蛇口から吐水される勢いが強過ぎるといった場合は、止水栓を調節する事で吐水量の調整が可能に。
その他、水道設備の修理を行う際には、止水栓を閉め水が出てこないようにして修理を行います。
各水道設備に取り付けられている止水栓の種類は、大きく別けると下記の3種類↓
ハンドル式
ハンドル式の止水栓を閉める時の回し方は、一般的な蛇口ハンドルと同じで、ハンドルを時計回りに回すと止水されます。
止水栓のハンドルを回す際は、止水栓の根本を手でしっかりと支えた状態でゆっくり回すようにしてください。
外ネジ式
最も多く使用されているのが、外ネジ式の止水栓。
溝の部分にマイナスドライバーを差し込み、時計回りに回すと止水する事ができます。
内ネジ式
内ネジ式の止水栓は、外ネジ式と異なり溝の部分が平で突き出ていないのが特徴。
閉め方は外ネジ同様、溝の部分にドライバーを差し込み時計回りに回して止水します。
マイナスドライバーが自宅に無い場合は、10円玉などでも代用可能です。
注意ポイント
止水栓を閉める際は、何回回したかを覚えておくようにしましょう。
『回した回数を覚えておく事で、止水栓を元に戻す際同じ水勢に戻す事ができます。』
回し方|トイレの止水栓はどこにある?
洋式トイレ、和式便器、簡易水栓トイレ、いずれのトイレも止水栓は下記の場所に取り付けられている事がほとんど。
壁から出ている給水管
壁から出てトイレタンクに繋がっている給水管の途中に取り付けられている止水栓を、時計回りに回すと給水を止める事ができます。
床から出ている給水管
壁ではなく床から給水管が出ている場合も、多くあります。
こちらも時計回りに回すと、止水する事が可能。
タンクレストイレ
画像引用元:TOTO 止水栓の閉め方と調整方法
タンクレストイレは、便器裏側や便器内に止水栓が収納されている物も。
他のトイレと同様、時計回りに回す事で止水栓を閉められます。
男性用小便器
男性用小便器の止水栓は、フラッシュバルブ周辺に取り付けられている事がほとんど。
マイナスドライバーなどで時計回りに回して閉める事ができます。
男性用小便器は、止水栓が取り付けられていなものも少なくありません。
止水栓が無い場合は、水道の元栓を閉めるようにしてください。
ウォシュレット(温水洗浄暖房便座)
ウォシュレットは給水管に分岐金具を取り付け給水ホースを繋げている物が、ほとんど。
分岐金具の手前にある止水栓を、ドライバーなどを使用し時計回りに回すと止水栓を閉められます。
中には、分岐金具部分に止水栓が取り付けられている物もありますので、そのような場合は分岐金具の止水栓を閉めるようにしてください。
また、温水洗浄便座の止水栓を閉める際は、漏電・感電の事故防止のため、事前にコンセントを抜いておくと安心です。
『トイレの止水栓は、比較的分かりやすい箇所に取り付けられている事がほとんどです。』
回し方|キッチン蛇口の止水栓はどこにある?
キッチン水栓の止水栓は、下記の場所に取り付けられている事がほとんどです。
混合水栓には、お湯側と水側それぞれに止水栓が取り付けられていますので、水漏れや修理・交換で水を止めたい場合は両方の止水栓を閉めるようにしてください。
ハンドル下部
壁付きシングルレバー混合栓などは、蛇口のクランク部分に外ネジ式や内ネジ式の止水栓が取り付けられている物も。
溝にドライバーを差し込んで、時計回りに回すと水を止める事ができます。
シンク下
シャワーホース付き水栓などは、シンク下に収納されている給水管の途中に止水栓が取り付けられているケースも。
ハンドル式、ドライバー式、内ネジ式などが取り付けられているかと思いますので、時計回りに回して止水してください。
背面パネルの裏
キッチン水栓の止水栓は、シンク下キャビネット内の背面パネルで隠されている物もあります。
背面パネルを外したら、内部に設置されている給水管に取り付けられている止水栓を時計回りに回すと水が止められます。
『ツーハンドル混合栓など止水栓が無い物もあります。その場合は水道の元栓を閉めてください。』
回し方|お風呂の止水栓はどこにある?
浴室水栓の止水栓は、ツーハンドル混合栓、サーモスタット混合栓、どちらもハンドル下部のクランク(偏心管)部分に取り付けられている事がほとんど。
お湯側と水側両方に止水栓が取り付けられていますので、水漏れ発生時や、水栓修理時は両方の止水栓を時計回りに回すと水が止まります。
『台付きの水栓などで止水栓が無い場合は、水道の元栓を閉めてください。』
回し方|洗面水栓の止水栓はどこにある?
洗面水栓の止水栓は、洗面ボウル下やキャビネット部分に収納されている給水管の途中に取り付けられている事がほとんど。
水のみが吐水される単水栓の場合、止水栓は1つですが、お湯も使用できる混合栓の場合はお湯側と水側両方に止水栓が取り付けられています。
混合栓をご使用で水を止めたい場合は、お湯側と水側の止水栓を閉めるようにしてください。
『壁付水栓は給水管が壁に埋め込まれている事もあり、止水栓が無いケースも少なくありません。』
止水栓が固くて回らない時はどうする?
使用年数が長い水道設備に取り付けれている止水栓は、固着し固くて回せない!といったケースも少なくありません。
そのような際は、下記の方法をお試しください。
- ゴム手や軍手を使用する
- 水栓用ドライバーを使用する
- ウォーターポンププライヤーを使用する
- 軽く衝撃を与える
- シリコングリスを塗布する
- 水道の元栓を閉める
ゴム手や軍手を使用する
ハンドル式の止水栓が固くて回らなくなっている場合、素手で回すと力も逃げやすく怪我をしてしまう恐れも。
そのため、ゴム手袋、滑り止めが付いている軍手、作業用手袋を装着して作業をするのがオススメです。
その他、止水栓部分にタオルを巻き付けると力が入りやすくなります。
止水栓の根本を手でしっかりと支えた状態で、グッと力を入れてゆっくり回してみてくださいね。
水栓用ドライバーを使用する
外ネジ式、内ネジ式の止水栓が固くて回らない時は、水栓用ドライバーの使用がオススメ。
画像引用元:Amazon
水栓用ドライバーは、一般的なドライバーと比較すると先端が幅広い造りになっているため、内ネジ式の止水栓も回しやすくなります。
ウォーターポンププライヤーを使用する
ネジ山をなめしてしまった場合や、ドライバーでは固くて回せない!といった場合はウォーターポンププライヤーの使用がオススメ。
画像引用元:Amazon
ウォーターポンププライヤーの使用は外ネジ式の止水栓に適していて、突起しているネジ先端部分をウォーターポンププライヤーで掴んで時計回りに回して止水します。
この際、タオルや雑巾などをかませておくと、ネジに傷が入るのを防げます。
軽く衝撃を与える
錆や汚れで固着した止水栓は、軽く衝撃を与えてあげると内部で錆などが剥がれ落ち、回るようになる事も。
これは、外ネジ式や内ネジ式の止水栓が固着してしまった際に有効な方法で、溝部分にドライバーを差し込んだら、ドライバーの柄の上部をハンマーで軽く叩き止水栓に衝撃を与えてみてください。
この際、ご自宅にあるようでしたら、ゴムハンマーのご使用がオススメです。
注意ポイント
止水栓が固着するほど使用年数が長い水道設備は、給水管の劣化が進んでいる可能性大。劣化が進んだ給水管は脆くなっているケースも少なくないため、衝撃を与えると折れてしまう恐れも。
衝撃を与える方法はあまりオススメできませんが、どうしても自分でやりたい!という方は自己責任で様子を見ながら慎重に行ってください。
シリコングリスを塗布する
固くなってしまった止水栓は、シリコングリスの塗布も有効。
止水栓周辺に付着した汚れを雑巾などで拭き取り、綿棒などを使用し止水栓の可動箇所にグリスを塗布。
グリスが馴染んだら、ネジを回してみてください。
画像引用:Amazon
この際、機械用油ではなく、水栓用のシリコングリスを使用するようにしてください。
特に、キッチン、洗面、浴室の水栓など水を口に含んだり、肌に水がかかる箇所では、機械用油の使用は安全面を考えてもオススメできません。
水道の元栓を閉める
止水栓が固くて閉められない…だけど、水漏れしているし応急処置で水を止めておきたい!!
といった場合は、必要な水をポリタンク、鍋、やかんなどに溜めておき、水道の元栓を閉めておけば水を止める事ができます。
注意ポイント
止水栓を回すと水が漏れてくる事もありますので、下にバケツを置く、雑巾を敷いておくなど養生した状態で作業を行うのがオススメです。
『止水栓が固くて回らない場合は、無理せず水道の元栓を閉めてしまった方が確実で安全です。』
注意点
水漏れなどが発生し、止水栓を閉める際は下記の点に注意しながら作業を行ってください。
- 力任せにやらない
- 閉めた回数を覚えておく
力任せにやらない
劣化により水道設備から水漏れが発生した際、止水栓が固着し固くなっているケースは少なくありません。
長年使用した水道設備は、固着だけではなく腐食したり、脆くなっている事も。
そのため、固着し固いからといって力任せに止水栓を回してしまうと、破損させたり給水管が折れてしまう恐れもあります。
使用年数が長い水道設備では特に注意し、止水栓の根本を手や工具でしっかりと支え、様子を見ながらゆっくりと回すようにしてください。
回した回数を覚えておく
先述した通り、止水栓を閉める際は回した回数をメモしておくなどして覚えておくのがオススメ。
止水栓は吐水される水量を調節する役割もあるため、開き過ぎると水の勢いが強くなり、開き加減が足りないと水勢は弱くなってしまいます。
回した回数を覚えておけば、水勢の調節をする必要がないため作業がスムーズに行えます。
『以上の点に気を付けて、止水栓を閉めるようにしてみてくださいね。』
まとめ
急な水漏れなどのトラブルが発生し、早急に水を止めたい時には止水栓を閉める事で応急処置が可能となります。
記事の中でもお伝えした通り、使用年数が長い水道設備では、止水栓が固着していたり給水管が脆くなっているというケースも。
止水栓が回らない、水道の元栓の場所が分からない。といった場合は、お早めに私たち水道業者にご相談くださいね。