トイレの黒ずみが落ちない!|原因・落とし方・予防法をプロが徹底解説!

トイレ掃除をこまめに頑張っているのに、すぐ黒ずみができる…

普通にトイレ掃除をしたくらいじゃ、黒ずみが落ちてくれない!

といったお悩みはありませんか?

トイレが黒ずんでいると、どんなに掃除をして綺麗な状態にしていても、審美的に不衛生に見えてしまうので困ってしまいますよね。

 

 

この記事では、トイレに発生する黒ずみの原因や落とし方などについてご紹介します。

黒ずみの原因は?なぜ黒ずみができる?

トイレの便器排水口部分、便器のフチ、便器全体が黒ずんでしまう事がありますよね?

便器の黒ずみ

黒い物を流しているわけでも無いのに、なぜ黒ずみができるの?

と不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、黒ずみができてしまうのは”カビ”が原因になっている事がほとんど。

所謂、黒カビがトイレの黒ずみの正体です。

黒カビとは?

クロカビとは、黒っぽく生えてくるカビの総称である。

カビにおいては、細部の構造は肉眼では見えづらいので、色だけで名を付けられる例が多い。黒っぽくなるカビは、いくつかの属にまたがって存在するが、もっともよくこの名を当てられるのは、以下の二つである。

・コウジカビの一種、Aspergillus niger。クロコウジカビとも言われる。ただし、黒い胞子を作るコウジカビはこの種だけではない。実際にはそれらを区別せずこう呼んでいる。
・クラドスポリウム (Cladosporium)。特に壁のシミなどはこのカビであることが多い。菌糸にも色が付いていて、培養したコロニーでは深緑に見える。

引用元:Wikipedia

カビ菌、水垢、ホコリなどが混ざり合い、便器内に黒ずみを発生させてしまいます。

実は、トイレタンク内にカビが繁殖していて、カビ菌が混ざった水が流される事により、便器に黒ずみが付着しやすくなっているというケースも少なくありません。

カビ以外には、水道水に含まれている”鉄分”が黒ずみの原因になっている事も。

鉄分は酸化すると黒ずむ特徴があるため、水道水に鉄分が多く含まれている場合、便器が黒ずむ原因となってしまいます。

 

 

洗剤でも落とせない黒ずみの場合、鉄分が原因になっている事が考えられます。

黒ずみの落とし方

この章では、トイレに付着した黒ずみの落とし方をご紹介していきます。

カビが原因の場合

黒ずみが発生した原因がカビの場合、カビ菌の除菌と黒ずみの漂白を行う必要があります。

カビの除去に最も適しているのが、”塩素系洗剤”の使用。

塩素系洗剤は、除菌と漂白を同時に行う事が可能となります。

トイレ掃除用洗剤で有名なサンポールなどの酸性洗剤は、尿石などによる黄ばみ汚れには有効ですが、黒ずみの除去には不向き。

そのため、トイレの黒ずみを落とすためには塩素系洗剤を使用し、下記の手順で掃除を行っていきます。

黒ずみの落とし方

1:換気をする

2:必要に応じて水を抜く

3:黒ずみの部分に塩素系洗剤をかける

4:放置

5:洗い流す

1:換気をする

塩素系洗剤は刺激を感じる事もありますので、必ず窓を開けたり換気扇を回すなどして、換気をした状態で使用するようにしてください。

また、マスクやゴム手袋も極力装着するようにしておきましょう。

2:必要に応じて水を抜く

黒ずみが便器に溜まっている水(封水)の中にある場合は、灯油ポンプや柄杓、紙コップなどを使って水を抜いておきます。

水を抜くことによって、洗剤の濃度が薄まる事を防ぐ効果があります。

水を抜く事が難しいようであれば、そのままでも構いません。

3:黒ずみの部分に塩素系洗剤をかける

黒ずみが気になる部分に、塩素系洗剤をかけていきます。

塩素系洗剤は、ドラッグストアやホームセンターで購入可能。

トイレの黒ずみ除去に使用できる、代表的な塩素系洗剤はこちら↓

・ドメスト

・カビキラー

・キッチンハイター

・さぼったリング

・かんたん洗浄丸

・バブルーン

・スクラビングバブルトイレ用

塩素系洗剤には、液体タイプ、ジェルタイプ、泡タイプ、錠剤タイプなどがありますが、お好きな物を使用すればOK。

キッチンハイターなどは、スプレータイプと液体タイプがありますが、スプレータイプよりもボトルに入った液体タイプの方が濃度が濃いため、頑固な黒ずみには液体タイプの方がオススメ。

黒ずみにしっかりと密着させたい場合は、ジェルタイプを使用したり、黒ずみの部分にトイレットペーパでパックをし、その上から洗剤をかけておくと、塩素系洗剤の効果を十分に得る事ができるかと思います。

封水部分にキッチンハイターを投入する場合は、目分量で構いませんがキャップに4杯程度入れ、トイレブラシなどで撹拌しておきます。

4:放置

黒カビに塩素系洗剤をかけたら、最低でも30分以上は放置。

放置している間は当然トイレが使用できませんので、事前にトイレを済ませておいてください。

就寝前やお出かけ前に洗剤をかけておくのもオススメですよ。

30分ほど放置してもまだ黒ずみが残っているようであれば、様子を見ながら15分ずつ放置時間を伸ばしてみてください。

5:洗い流す

塩素系洗剤で黒ずみが除去できたら、水を数回流ししっかりと洗剤を流してください。

この時も、必ず換気をした状態で行ってくださいね。

鉄分が原因の場合

塩素系洗剤を使用しても黒ずみ部分にあまり変化が見られない、全然落ちていない!

といった場合は、カビではなく鉄分が黒ずみの原因になっている事が考えられます。

鉄分が原因の黒ずみは塩素系洗剤では落とす事が難しいため、研磨剤が入った洗剤やサンドペーパーなどを使用して落としていきます。

研磨して黒ずみを除去していく時も、必要に応じて水を抜くようにしてください。

また、サンドペーパーは目の細かい物を使用し、クレンザーなどの研磨剤入り洗剤を使用する時はゴシゴシと強くこすり洗いをするのは厳禁!

陶器製や樹脂製の便器に傷を入れてしまう恐れがあります。

便器に傷が入ると、傷に汚れが付着しやすくなりますのでご注意ください。

ピカスティック

画像引用元:Amazon

こちらのような、黒ずみ、尿石などを除去する便利グッズも販売されていますので、頑固な黒ずみにお悩みの方は試してみるのも良いかもしれません。

注意ポイント

便器によっては研磨剤使用NGの物もありますので、事前に説明書などでご確認ください。

 

 

黒ずみの原因によって、落とし方が異なりますのでご注意ください。

黒ずみの予防法

トイレに黒ずみが付着する1番の予防法は、もちろん日々のお掃除。

しかし、掃除をしても1週間も経たずに黒ずみがすぐできる!とお困りの方もいらっしゃるかと思います。

黒ずみは”サボったリング”などとも言われますが、お掃除を頑張っていてもできる時はできます。

トイレタンクの黒カビに注意する

先述した通りトイレの黒ずみは、トイレタンクに発生したカビが原因になっているケースも少なくありません。

常時カビ菌が混ざった水が排水されているとなると、カビによる黒ずみも発生しやすくなってしまいます。

カビの生えたトイレタンク

カビが付着したトイレタンク

トイレタンクを開けてみてタンク内にカビが付着しているようであれば、タンクが原因になっている可能性大。

トイレタンクにカビが付着してしまった場合、トイレタンク用の洗浄剤などを使いたくなるかと思いますが、水道屋としてはあまりお勧めできません。

トイレタンク内には、ゴム製、金属製、プラスティック製のパーツが多数使用されているため、酸性やアルカリ性洗剤を使用すると、パーツを傷め寿命を縮めてしまったり腐食させてしまう恐れがあります。

トイレ製造メーカーでも、酸性洗剤やアルカリ性洗剤の使用を控えるよう注意喚起がされています。

タンク内部は、樹脂製やゴム製の器具を多く使用しておりますので、酸性・アルカリ性洗剤や芳香洗浄剤は器具を傷め止水不良などの不具合や水漏れして家財などをぬらす財産損害発生のおそれがあります。

引用元:TOTO お客様サポート

また、トイレタンク内にカビが発生したら、何とか自分で掃除したい!と検討する方も少なくないと思います。

Q.タンク内に黒いカビや汚れが発生した場合の掃除方法を教えてください。

A.基本的にお客様ご自身での清掃はおすすめしておりません。

【清掃をおすすめしない理由】
吐水止水機能を持つ部品が存在するため、調整が狂うと、水が止まらなくなったり、出なくなる可能性があります。 また、タンク内にはプラスチック部品が多く使用しており、使う洗剤によっては、内部部品が腐食する可能性があります。

やむを得ず清掃等を行う場合は、中性の食器用洗剤を極少量使用し、柔らかいスポンジなどで汚れた部分を軽く拭く程度の清掃をお願いいたします。清掃後は洗剤成分を完全に洗い流してください。

引用元:TOTO お客様サポートQ&A

TOTOホームページにも記載されている通り、タンク内には様々なパーツが取り付けられているため、掃除を行った際にパーツ類がズレたりすると水漏れなどトラブルの原因となるため、ご自身でタンク内の掃除を行う事もあまりお勧めできません。

置型芳香洗浄剤は使用しない

トイレタンクの手洗い部分に、置型の芳香洗浄剤を置いているご家庭は沢山ありますよね。

トイレを流す度に洗浄剤が流れ便器を洗浄してくれ、芳香効果もあるためとても便利な商品です。

しかし、洗浄剤は当然タンク内にも流れ込むため、タンク内パーツを傷める恐れも。

また、タンク内に洗浄剤のカスが残留する事で、カビ菌のエサとなりカビ発生の原因にもなるため、置型芳香洗浄剤の使用はあまりお勧めできません。

各トイレ製造メーカーでも、芳香洗浄剤の使用は控えるよう記載されています。

TOTO

芳香洗浄剤

画像引用元:TOTO お客様サポート

LIXIL(INAX)

トイレのロータンクの中に入れたりフタの上に置いたりする芳香洗浄剤を使えますか?

市販されている芳香剤は無数にあり、その成分もまちまちです。
また、芳香剤の成分は日々変化しており、INAXにてそれを的確に把握することは非常に困難です。
製品を安心してご使用いただくために、おすすめはしていません。

また、一体型シャワートイレのタイプによっては、芳香剤の入れ方を誤った場合、芳香剤の溶けた水がシャワーから噴出する危険性もあります。
タンクフタの上に置くタイプでは、タンクが樹脂製の場合に色が付着して取れなくなってしまうこともあります。

引用元:LIXIL お客様サポートQ&A

Panasonic

手洗い付きロータンクに芳香洗浄剤を置いて使用してもいいですか。

以下の理由から、芳香洗浄剤の使用はおすすめできません。

【理由】
ロータンク手洗い器部に芳香洗浄剤を置いて使用した場合、
・便器の洗浄水が出てくる穴(便器リム部に洗浄水が流れる小さな穴)が、芳香洗浄剤の小さな固まりで塞がれ、便器の洗浄不良を起こす可能性があります。
※芳香洗浄剤が溶けて小さくなった固まりがその穴に詰ってしまう。
・ロータンク内のゴム部品、プラスチック部品が芳香洗浄剤に含まれる薬剤によって早く劣化(硬化、ひび割れなど)する可能性があります。
洗浄弁劣化、ボールタップ部品劣化の場合、ロータンクの止水不良が起こる可能性があります。
・ボールタップ部品に薬剤が付着すると、浮き部品の摺動不良が起こる可能性があり、手洗い水が出っ放しとなる可能性があります。
・手洗い水の排水穴が塞がれる可能性があります。

引用元:Panasonic よくあるご質問

 

 

トイレタンク内のカビが酷い場合は、メーカーや水道業者にご相談される事をお勧めいたします。

注意点

ご紹介してきた通り、カビによる黒ずみは塩素系洗剤を使用すれば落とす事が可能です。

塩素系洗剤を使用する場合、もっとしっかり落としたい!と、色々な洗剤を混ぜて使用すると有毒なガスが発生する恐れがありますので、十分にご注意ください。

最初にドメストを使って、それでも落ちないからサンポールを使ってみよう!

といった使い方をすると、塩素系洗剤のドメストと酸性洗剤のサンポールが混ざりあい、有毒な塩素ガスが発生。

命にも関わるほどの有毒なガスなので、絶対に混ぜないようにしてくださいね。

これは、酸性のクエン酸などでも同様。

塩素系洗剤のみの使用でも、しっかりと換気をした状態で掃除を行ってください。

鉄分による黒ずみをサンドペーパーやクレンザーで落とす場合は、先述した通りゴシゴシと強くこすらないようにご注意ください。

傷が入ったりコーティングが剥がれる恐れも。

 

 

黒ずみがひどく全然取れない!という場合は、便器交換も選択肢の1つに入れておくと良いかもしれません

まとめ

トイレの黒ずみの原因は、”カビ”か”鉄分”が原因になっている事がほとんど。

長年黒ずみが取れない!黒ずみがすぐできる!とお悩みの方に、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

原因を理解した上で、正しい対処法を行っていただけたらと思います。

どうしても取れない場合は、私達プロにお気軽にご相談ください。

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