水回りのコバエはどうすればいなくなる?人体やペットへの影響は?|対策法・予防法をプロが解説!
気温が高くなってくると、自宅の中でも見かける事が増えてくるコバエ。
1匹見かけたかと思うと、気付いたら大量に発生していた!!なんて事も。
コバエが大量に発生すると、不衛生に見える事もありストレスが溜まってしまいますよね。
『この記事では、水回りにコバエが発生した際の対策法や予防法などをまとめました。』
目次
原因|水回りにコバエがやってくるのはなぜ?
自宅の中を綺麗に掃除していても、水回りを中心にいつの間にか家の中を飛び回っているコバエ…
窓を開けっぱなしにしていたわけでも無いのに、どこから入ってきているんだろう?と不思議に感じている方も少なくないかと思います。
家屋内の水回りなどに発生するコバエは、下記の4種類。
ショウジョウバエ
体長2㎜~3㎜で、体色は黄色っぽく目が赤いのが特徴。
腐敗した野菜や果物の生ごみ、アルコール類などを好むため、キッチンやごみ箱周辺で多く発生。
寿命が2ヶ月ほどのショウジョウバエは、卵から10日ほどで成虫へと成長。
成虫になってからは1日でおよそ40個を産卵。
寿命である約2ヶ月の間に約500個の卵を産むため、あっという間に繁殖してしまいます。
ノミバエ
体長1㎜~3㎜で、飛び跳ねるように素早く走り回るのが特徴。
肉類の生ごみ、調理済みの料理、動物の排泄物、腐敗物などを好み、キッチンやごみ箱周辺に発生。
ショウジョウバエ同様繁殖スピードが早いため、あっという間に繁殖してしまいます。
卵から2週間ほどで成虫になり、10日ほどで寿命を迎えます。
一生の間に産む卵の数は、約200個。
チョウバエ
体長2㎜~5㎜で蝶のような大きな羽を持ち、あまり動かないのが特徴。
石鹸カス、皮脂汚れ、といった排水口などのヘドロやスカムを好むため、トイレ、浴室、洗面所などに多く発生。
寿命である2週間の間に、約240個産卵。
殺虫剤や市販されているコバエ捕獲器が効きにくく、大量発生すると根絶するのが難しいという厄介な特徴があります。
キノコバエ
体長2㎜~3㎜で、体色は黒っぽく細長いのが特徴。
土、腐敗した作物、植物付近を好み、腐葉土に住み着く事が多く購入した土の中に卵がある事も。
主に、観葉植物付近に多く発生。
ショウジョウバエなどと比較すると繁殖力は高くありませんが、寿命である1週間の間におよそ70個ほど産卵します。
これらのコバエを見かけるようになるのは、4月~11月頃まで。
気温20~30度、湿度70%という環境を好むため、特に梅雨の時期に繁殖しやすい傾向にあります。
戸締りをきちんとしているとしても、体長1~5㎜程度のコバエは網戸の網目さえすり抜けて家屋内に浸入。
その他、玄関や勝手口を開けた隙や、玄関の新聞受けの隙間などから入ってきてしまう事も。
『これらのコバエは、生ごみや排水口のヘドロといった腐敗物を好む特徴があります。』
コバエが大繁殖するとどうなる?人体やペットへの影響は?
コバエが大繁殖してしまうと、人体やペットに何か悪い影響は無いの?と気になりますよね。
日本に生息しているコバエは、人体に寄生したり、病原菌を媒介するような事は基本的にありません。
ショウジョウバエ、キノコバエ、チョウバエは、排水口のヘドロ、ごみ、腐葉土などに卵を産み付けますが、ノミバエは肉などの食品に潜り込んで卵を産み付ける事も。
ノミバエの卵は、全長0.5㎜ほど。
消化器系ハエ蛆症というのは、ニクバエやキンバエ、クロバエ、ノミバエの幼虫が食物と一緒に消化器内に入り、粘膜を刺激し、腹痛を起こさせるものです。
引用元:日本防疫殺虫剤協会
健康な方はあまり神経質に心配する必要はありませんが、卵を産み付けた食品の中で孵化したコバエの幼虫を口にすると、腹痛などの症状が現れてしまう恐れもあります。
また、ペットを飼っている場合、健康な状態であれば問題はありませんが、寝たきりの老犬、老猫、で床ずれや傷が化膿している、お尻周りが汚れた状態が続いていると、患部にコバエが卵を産み付け、ウジ虫に寄生されてしまうケースがあるため注意が必要です。
寝たきりのペットがいてコバエが飛び回っている環境にある場合は、患部にウジが沸いていないかこまめにチェックするようにし、ウジを見つけたら早めに病院で診てもらうようにしてくださいね。
『健康状態によっては体調に影響を受ける恐れもありますので、コバエが大量発生したら早めに対処する事をオススメします。』
コバエを駆除する方法
コバエが大量発生したら、一刻も早く駆除したいですよね。
この章では、コバエの駆除方法をご紹介します。
殺虫スプレーで駆除
最も手軽なのが、スプレータイプの殺虫剤を使用した駆除方法。
コバエ用殺虫剤スプレーは、ドラッグストア、ホームセンター、ネットショップで購入可能。
飛び回っているコバエに対して広範囲に噴射できるため、即効性のある駆除方法となります。
スプレータイプの殺虫剤は、成虫や幼虫に効果を発揮する物がほとんど。
また、殺虫剤によっては全てのコバエには対応していない物も。
駆除したいコバエに対応している殺虫剤を使用するようにしてください。
熱帯魚などを飼育されているご家庭では、使用できないスプレー殺虫剤もありますのでしっかりとご確認ください。
捕獲タイプのコバエ取りで駆除
殺虫剤はあまり使用したくない…といった場合は、捕獲タイプの駆除剤がオススメ。
画像引用元:アース製薬 HP
捕獲タイプのコバエ駆除剤は、設置するだけでコバエを捕獲し駆除。
置き型、吊るし型、スティック型などが、ドラッグストア、ホームセンター、ネットショップで販売されています。
殺虫剤とは異なり、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して使用可能。
こちらも、駆除したいコバエに対応している物を使用するようにしましょう。
わざわざ捕獲剤を購入するのは嫌だ!という方は、後述する自作できるコバエトラップの作り方をご覧ください。
お湯や氷で駆除
殺虫剤系の駆除方法では、卵までは駆除できない物も少なくありません。
排水口がコバエの発生源になっている場合は、お湯や氷を使用し卵を駆除するのがオススメ。
コバエが大繁殖している場合コバエの種類にもよりますが、キッチンの排水口や三角コーナーに産卵している可能性大。
キッチン周辺でよくコバエを見かけるといった場合は、排水口や三角コーナーにお湯をかける事で卵の駆除が可能となります。
この際、熱湯を使用した方が大きな効果を得られるように感じるかもしれませんが、キッチンシンクに熱湯を流すと排水管を傷めたり、劣化を速める恐れがあります。
そのため、卵駆除には60度程度までのお湯を使用するようにしてください。
お湯を流す事で、コバエが好む油汚れもある程度流れてくれます◎
また、コバエの卵は冷たい環境にも弱いため氷の使用でも駆除が可能。
排水口が隠れる程度に氷を敷き詰めるか、排水口に氷水を流す事で排水管に産み付けられた卵を駆除する事ができます。
卵は掃除機で駆除
キッチンなどで何かをこぼした覚えも無いのに、米粒、白ごま、黒ゴマのような物体が散らばっている場合、それはコバエの卵やサナギかもしれません…
そのような場合は、早急に除去し処分しておくのがオススメ。
広範囲や大量に卵が散らばっている場合、1番手軽にできるのが掃除機の使用。
掃除機のヘッドが入らない隙間などは、ガムテープやコロコロで取り除くのも◎
掃除機で吸い取った後は、そのままにしておくと掃除機の中で卵が孵化してしまいますので、2重にした袋に入れ早急に捨てるようにしましょう。
『コバエは繁殖スピードが早いため、早めに駆除してしまうのがオススメです。』
手作りコバエトラップの作り方
殺虫剤やコバエ捕獲剤を使用するのに抵抗がある方は、手作りのコバエトラップがオススメです。
コバエトラップは、自宅にある物を使って作成可能。
用意する物
・ペットボトルや紙コップなどの容器
・めんつゆや酢
・食器用洗剤
コバエトラップを作る手順
1:用意した容器に水を1㎝ほど入れる
2:めんつゆ(または酢)を注ぐ
3:食器用洗剤を数滴入れる
4:コバエが出没する場所に設置する
1:用意した容器に水を1㎝ほど入れる
カットしたペットボトル、プリンやゼリーなどの空き容器、紙コップ、コンビニサラダの空き容器、豆腐の空き容器など、自宅にある不要な物を使用。
使い捨ての紙コップ、プラスティックコップなどでも◎
容器に1㎝ほど水を入れてください。
2:めんつゆ(または酢)を注ぐ
水と同量のめんつゆ、または酢を容器に注ぎます。
めんつゆの種類は、ストレートでも濃縮タイプでも何でもOKです。
3:食器用洗剤を数滴入れる
めんつゆを注いだ容器に食器用洗剤を数滴垂らします。
洗剤を入れ過ぎるとめんつゆの香りが薄れてしまうため、数滴程度にしておいてください。
4:コバエが出没する場所に設置する
トラップが完成したら、ゴミ箱周辺やキッチンシンク周りなど、コバエが多く出没する場所に設置。
※小さなお子様やペットの手の届かない場所に置くようにしてください。
コバエトラップは1週間を目処に処分
設置したコバエトラップは、1週間を目処に必ず処分するようにしてください。
長期間設置していると、トラップにかかったコバエが腐敗しトラップ自体がコバエ繁殖の元になってしまう恐れがあります。
また、トラップ内には卵が残っている可能性もありますので、容器内に入れた水やめんつゆを排水口に流す行為はNG。
排水口に卵を流すと、排水口内で卵が孵化してしまいます。
トラップに使用した水とめんつゆは、新聞紙やキッチンペーパーに含ませ、ビニール袋などに入れ密封した状態で一般ごみとして早めに処分しましょう。
めんつゆトラップを設置すると、めんつゆの香りに誘われコバエがトラップに侵入。
トラップに入れた食器用洗剤に含まれている界面活性剤が、コバエの腹部にある呼吸器官を塞ぎ窒息させる事で駆除が可能に。
コバエは発酵臭や甘い香りを好む性質があるため、めんつゆやお酢の他に、アルコール類やはちみつを加えてもコバエ駆除効果に期待ができます。
『めんつゆトラップは主にショウジョウバエに効果的で、チョウバエにはあまり効果がありません。』
対策|コバエ発生の予防法
コバエを駆除したら、再繁殖させたくないですよね。
下記の点に注意し対処しておくと、コバエが発生する事を防げます。
排水口をこまめに掃除する
コバエは、排水口の汚れ、ヘドロ、ぬめりなどが大好物。
キッチン排水口のごみ受けや三角コーナーに何日も生ごみが入った状態、ヘドロが大量に付着している状態にしていると、コバエの卵を産み付けられてしまいます。
そのため、排水口や三角コーナーに付着した汚れもこまめに洗うようにしてください。
生ごみは密封して処分
排水口のゴミ受け、三角コーナーに溜まった生ごみは毎日処分するようにするのがオススメ。
さらに、生ごみはビニール袋などに入れ口を縛り、臭いが漏れないようにしてゴミ箱に捨てるようにしておくと安心です。
食材や飲み物は冷蔵庫で保管
食材や、食べ残し、飲み残しの缶ジュース、缶ビール、缶チューハイなどは、食卓に出しっぱなしにはせず冷蔵庫に保管するようにしてください。
また、缶ジュースなどは飲み終わったらそのまま捨てるのではなく、一度すすいで乾かしてから捨てるようにしましょう。
ジュースやアルコールの香りが大好きなコバエが、寄ってくる原因となります。
食器類はその日のうちに洗う
調理に使用した調理器具や、食べ終わったあとの食器類などは極力その日のうちに洗うようにしておくのが理想的です。
長時間シンク内などに放置しておくと、食器や調理器具に付着した食材の臭いが、コバエを寄せ付けてしまいます。
水回りを清潔にしておく
キッチンだけに関わらず、浴室、洗面台などの水回り排水口なども定期的に清掃し、コバエの好物であるヘドロやぬめりを除去するようにしておきましょう。
画像引用元:バルサンHP バルサン浴室用ヘアーストッパー
浴室排水口など、こまめにお掃除をするのがどうしても難しい…といった場合は、コバエ駆除効果のある薬剤が含まれているグッズなどを使用するのもオススメです。
また、洗面台のオーバーフロー部分や、洗濯機排水口などは見落としがちな場所なので、忘れずにお掃除するようにしてください。
網目が細かい網戸に張り替える
自宅内の水回りなどのお手入れを頑張っていても、いつの間にか外からコバエが侵入してきている…
といったケースで、網戸にして換気をしている時間が長いというような場合は、網戸の網目をコバエがすり抜けて侵入してきている事が考えられます。
窓を閉め切っていればコバエが侵入してくるリスクを低くできますが、空気の入れ替えも行いたいですよね。
網戸の網は18メッシュから販売されていて、その網目の大きさは1.15㎜。
種類にもよりますがコバエは体長1㎜程度の物もいるため、18メッシュの網戸では簡単にすり抜け家屋内に浸入。
画像引用元:Amazon
そのため、屋外からのコバエの侵入を防ぐためには、網戸の網目が1㎜以下である24メッシュ以上の物に張り替えてしまうのがオススメです。
その他、網戸やサッシに隙間がある場合は、隙間テープなどを使用して隙間ができないようにしておく事で、コバエ侵入のリスクを低くする事ができます。
『コバエの侵入予防と卵を産み付けやすい環境を作らない事が、コバエ発生の予防になります。』
まとめ
不衛生に見え、目の前を飛び回られるとストレスにもなるコバエ。
まずは、水回りを中心に清潔な状態にしておくという事がとても大切になります。
気温が高くなり始める梅雨入り前などに、排水口や配水管を大掃除して、コバエの好物であるヘドロなどを一掃しておく事をオススメします。